協和建設工業株式会社

  • 先人

代表取締役社長 田村伊正さん

会社名
協和建設工業株式会社
「故郷が大好きです」

 弊社は、1949年(昭和24年)の1月10日設立。約70年が経ち、私は5代目になります。事業内容は、総合建設業です。建築工事、土木工事2つに大別する工事の両方を担うことができます。社会インフラを整備することになりますので、社会に安全を提供する非常に重要な仕事ともいえます。

 他の企業と差別化が図れている点としては、「伝統的建造物」に対応できることがあげられます。県内にわずか3名しかいない資格者のうち2名が弊社に在籍。宮大工は20名以上在籍しており、全国から発注を請けております。人材育成上の経費はともかく、そもそも育てるために絶え間なく対象事業が無ければ育てようがない中で、萩市やその周辺地域に、人材を育成するだけの文化財がフィールドとして現存しているため可能となる仕事です。

 一方で、この事業は、費用対効果からすれば、利益は少ないです。例えば大照院という毛利家の菩提寺は、歴史的検証に基づいて8年もの工期をかけて修復しており、そこには膨大な経費や労働力が割かれてしまいます。他の企業であれば手放してしまうかもしれませんが、弊社はあえてこの事業を強みにしております。通常の事業で企業価値を高めていけば、都市部との競争に埋もれてしまいますが、地方でしかできない強みをしっかり活かし、企業理念を体現していくことで、県外、世界での活躍の場を確保することができます。また、歴史的価値のあるものを後世に残す技術を承継していくことの意義が社員のモチベーションを高く保つ要素とも考えます。そういった点において、この土地に大変感謝しております。故郷が大好きです。

人材 そして 発信

 総合建設業を営む中で、環境事業についても強みを持っています。特にシートパイプ事業という、農業基盤整備に用いられる特殊な技術については、弊社の独自技術であり、世界にも誇れるものです。ただ、大切なのは、この技術ではなく、それを支える「人材」です。ノウハウを持った人材を得ていくことが、企業価値を高める基礎です。これは、私個人に留まるものではなく、社風として社内で共有し、継承すべきものとして、年末年始、各集会で頻繁に、「社の財産は、人材だ」と明確に伝えております。

 新たな技術の習得については、毎週勤務時間外に外部講師による講習の場を設け、新入社員は勿論のこと、全社員分け隔てなく、希望者に受講していただける環境を整備しております。また、総合建設業の強みを活かし、部署を異動してもらう中で、多岐に渡る事業を経験していただくこともできます。逆に、宮大工のように、特化して技術を習得する必要がある職種については、本人の意向に基づき、留まることも可能です。

 また、若い人たちが職業を選択する上で、都会志向もあるように思われます。弊社は、情報発信・受信のための営業拠点として東京・大阪にも拠点を構えております。本人が東京のビジネスに関わりたいと望めば、そのように、また帰れる道も用意しておく環境を企業として整えております。加えて、我々は、人材というものは、人を育てるだけではなく活躍の場を与え、個人を発信させることも大切にしています。発信できる個を抱えることが企業の価値につながると考えます。

弛まぬ挑戦と改善

 地方からの発信は、いずれ壁にぶち当たります。ぶち当たった時に気づくのは、外部からの知見と、外部からの人材を入れないと生き残れないということです。そこに敏感でないと生き残れない。来て住んでもらえることも大切ですが、外部にいながら連携し、情報交換できるキーマンとの連携こそが、ものの考え方や、ビジネスを行う上での理念を磨くことができる。現状に甘んじることなく「発信」しつつ、外部からの情報を受信する、それが必要不可欠と考えます。

 身近なところでは、女性の登用にも積極的です。男性の多い業界で、管理職1名、設計2名、建築2名、土木3名、事務職3名、計11名の女性が在籍しております。女性の持つ感覚を企業に取り入れていくことも重視しており、今後も雇用拡大を図っていきます。

承継は企業の役割

 その時代が良ければ良いという考え方では、企業として長続きしません。行政にフィールドは与えてもらうかもしれないですが、現場での「技術承継」は紛れもなく企業の役割です。弊社は、企業価値を高めるため、グループ会社をもっています。「そう簡単にはつぶれない」「雇用を守る最大限の努力をする」といった信念の元、多角経営にも乗り出しました。グループ総体で、国内・海外に情報発信力を高め、技術で売っていく。そのために発信できる個を育てる。この繰り返しです。ただ、昨今は、高校の生徒数自体が減少傾向にある中、比例するように土木・建築関係のクラスの人数も減少。企業側は倍の人数を求めている中、職場見学は、大手ゼネコンが主、インターンシップも、時期設定が難しい等、課題は山積みです。地域との話し合いの場を増やすなど、益々連携をとり、地元雇用確保の必要があると感じています。

 ただ、売り手市場の現在でも、私の会社では、「優秀な人材しかいらない」と発信しています。なぜなら、地元萩で頑張るということは、地域での役割も担わなければならないからです。限られた空間で働くには、大きなプレッシャーもかかるわけです。そのような中で、地域の信頼も勝ち取っていくことが、良い仕事につながる。優秀でなければ務まりません。ですから、弊社には優秀な人材しかおりません。萩に帰ってきて、家族の世話をしながら働きたいという強い気持ちがある方は、優先的に雇用させていただきます。

全ては人に支えられて

 職員には、余暇を楽しむことを勧めています。せっかく豊かな自然や食文化に囲まれていますから、それを満喫してもらいたいです。ただ、中小企業ゆえに忙しい面もあります。なかなか改善できていない部分もあるかもしれませんが、企業として諦めずに福利厚生の向上に取り組んでいきたいと思っています。

 弊社のマークをご覧になってみてください。周囲の4つのKは、協和・建設・工業・株式会社と、会社そのものを、そして中心には、「人」という字が折り重なっています。人に支えられてこの会社が成り立っているということを表しています。また、そのことを職員一同常に意識しながら今後も邁進していく所存です。


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